通貨供給量

3. 2 通貨供給量

 

マネー・サプライとは、通貨供給量のこと。銀行の貸し出しが、総需要に影響するのは、銀行の貸し出しが投資につながるためで、銀行の貸し出しが特殊の場合、他の資金調達手段では、完全に代替えができない場合、特にこの効果は重要になると考える。

銀行の貸し出しが特殊になる場合とは、情報の非対称性がある場合で、銀行の貸し出しが情報の非対称性に対して、何らかの対処ができる場合のこと。

それ以外に考えられるのは、資産効果による総需要の増加である。資産価値の上昇により消費が増えるという資産効果がよく考えられている。

また、資産効果として、ファイナンシャル・アクセラレーターと呼ばれているものがある。これは、企業が保有する土地などの資産価値が上昇すれば、担保にする物件の価値が上昇し、情報の非対称性の状態では、担保価値の増加によって、金融取引でのリスクが軽減されることにより、金融取引が活性化されるという考えである。

資産価値は資産の収益を利子率とリスク・プレミアムによって何割か引いた現在価値として決定されると考えられる。資産価値の上昇は、資産の収益の増加が予測される場合か、リスク・プレミアムの低さによっても起こるが、利子率の低下または上昇が資産価値を上下させるので、利子率を通じた波及効果と考えられる。

リスク・プレミアムはリスクのある資産のリターンからリスクのない資産のリターンを引いた差のことである。